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アンズ春を告げる中国の果樹
アンズは中国の原産で、日本でも果樹として小規模ながら栽培されています。また、庭木として植えられていることもあります。
花は3月から4月に開花し、淡紅色の花が枝を覆うように咲くのでとてもきれいです。
特に一面に植えられたアンズが花をつけるとまるで淡紅色のかすみが広がっているよ
うで、いかにも春の到来を告げるほのぼのとした景色になります。
信州にはアンズの里と呼ばれて観光の名所になっているところがあります。
果実は6月ごろに橙黄色に熟し、ピンポンの球ぐらいの大きさです。
表面には短い毛が生えていて、ビロード状の感触があります。
そのまま食べたり、乾燥果実、ジャム、シロップ漬けなどに加工されます。
子どものこな駄菓子屋に行くとアンズを赤いシロップに漬けたものを売っていました。
生の果実を食べるとき、真ん中の堅い、いわゆる核は除きます。これは種子ではなく、中に入っているアーモンドを小さくしたようなものが
種子です。薬にはこの種子が使われます。生薬名は杏仁で、漢方では身体に余分な水がたまると病気になるという考えが
あり、この余計な水を除くという目的で使います。
また、西洋医学では杏仁をつぶして水を加えて蒸溜して得た梅酒のようなにおいのする素溜液を杏仁水といって咳止めに使います。
杏仁には苦い成分が含まれています。この成分は分解すると青酸ガスが発生します。
だから、杏仁をアーモンドと間違えて食べるのは危険です。しかし、実際にはかなり苦いので、間違えて食べることはないでしょう。
また、1粧、2粒食べても死ぬことはありませんので、うっかり食べたからといって、慌てて遺書を書かないでください。
紙が無駄になります。 杏仁に少量の水を加えてすりつぶすと苦い成分の分解が始まり、
白く濁った梅酒の香りのする液体ができます。これを寒天で固めたものが中華料理をコースで頼んだときに出てくる
杏仁豆腐です。青酸は微量ですし、ガスなので杏仁をすりつぶしている間に逃げていますので杏仁豆腐を食べて
青酸中毒になる心配はありません杏仁豆腐が出てくると中華料理のコースも終わりですので、むしろ財布の中身を心配したはうがよいでしょう。
日本の桜
いつの時代から日本人がサクラ好きになったかは知らないが、その語源には『古事記』の
木花開耶姫(コノバナノサクヤヒメ)の「木花」がサクラの花のことを意味し、「開耶」の音がそのままサクラになったという説がある。
そしてもう一つとして、五月、早苗、早乙女など「サ」の音は用の神を表し、「クラ」は神が鎮座する場所を示す。
田値え前に豊作を祈願した神事が花見の起源ではないか、ともいわれている。
しかし、そんなサクラのほとんどがヤマザクラやヒガンザクラなどのことで、みなさんお馴染みのソメイヨシノが登場したのはずっと後の幕末の頃だ。これは品種改良した園芸品種ではなく、一説にはエドヒガンとオオシマザクラが自然に交雑したもので、江戸駒込の染井にあった植木屋さんから売り出され、
サクラの名所吉野山にちなんで「吉野桜」という名前がつけられた。ところが吉野山のサクラはヤマザクラなので、
それと区別するために後にソメイヨシノとしたのだそうだ。
靖国神社をはじめとする、ソメイヨシノの開花標準木がサクラ前線を刻む。
今や全国のサクラの8割はソメイヨシノだという人もいるが、
そのほとんどは戦後植樹されたものだ。散りぎわの美しさは
日本人の心を象徴するサクラだが、戦中戦後には燃料不足のために、
薪として倒されたものも多かったそうだ。しかし園芸好きとしてあえて書けば、春の百花繚乱に、とりたててサクラの花だけが美しいわけではない。
が、この季節はなにがなんでも「花見だ!」と心ウキウキの方は多い。国民の休日になっていないのが不思議なくらいの大行事なのは否定できない。
ぬくい南風を感じると、人はじっとしていられないもの……ぱっと花見にくり出したいものだ。

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